三献の儀
室町時代より武士は出陣の時、
打ちあわび、勝ち栗、昆布の三品を肴に酒を
三度づつ飲みほす儀式がありました。
これを『三献の儀(さんこんのぎ)』
或いは『式三献(しきさんこん)』と言い、
宮中の儀式であったこの三献が武士の
出陣・婚礼・式典・接待宴席などで重要な儀式となりました。
とくに出陣に用いる三献は三つ目の杯を
飲み乾した後、地面に打ち付けて割り、
軍扇を広げ弓を持ち
大将が鬨(とき)の声を『エイ!エイ!オーッ!!』と
挙げ陣営を鼓舞する意味合いがありました。
打ち鮑は剥いて干した身を打ち伸ばしたもので
敵を討ちのばすの意味が含まれています。
当時から高タンパク質低カロリーの食品である事が
すでに理解されていて重宝がられていました。
現在では、正月の飾りや来客のお迎え、結婚式の
三三九度、選挙の出陣式、端午の節句や七五三、
祭りなどに形をとどめています。