熨斗あわびの歴史

熨斗あわびは全国各地で作られていました。
勿論ルーツは鳥羽国崎の神宮へ奉納している大身取り小身取り玉貫といわれる 御神饌ののしあわびなのですが、 国崎ののしあわびは神宮以外にはこの2000年のあいだ出回っていないのです。
それが御贄(みにえ)国崎の約束なのです。 ですから昔から伊勢の大神の食べる熨斗あわびを食べたい、御利益に長寿にあやかりたい 願望があったのでしょう。
なかでも室町以降では、武士達が「敵に打ち・勝ち・よろこぶ」と熨斗あわび を尊ぶようになりました。

ところで 伸しあわび ではなくて 熨斗あわび なのか?といいますと 伸ばす道具に由来します。 国崎では竹筒などの円筒形のもので伸ばすわけですが、他の地では別な道具が使われました。 それは熨斗という道具です。

熨斗(火熨斗)= アイロン 火熨斗を使って伸ばしていた所もあり、 熨斗で伸ばした鮑を『熨斗鮑』と呼ぶようになりました。 室町の武家社会はせわしく「のしあわび」と呼ぶことを煩わしく簡略して 「ノシ!!」と呼ぶようになりました。

たとえば、出陣の『三献の儀』出陣前の慌ただしい中で厳かに行われますが 家臣一同揃ったところで大将か軍師が「ノシをもてぃ!!」と三献の肴 (打ち鮑、勝ち栗、昆布)を賠膳役が運んだのではないでしょうか? ところで伊勢志摩兵吉屋で作っている 本物のし袋伊勢熨斗は 伊勢志摩で海女が素潜りで獲った鮑を薄く剥き乾燥させ熨斗あわびを作り、 手漉き檀紙を折った本格派の祝儀袋に付けました。

先様の健康長寿・繁栄を願い祈る贈り物に是非伊勢熨斗をお使い下さい。